オーディオブック「本を聞く」効果とは|どうすごいのか?倍速・多読のメリット

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成功者や一流ビジネスパーソンはオーディオブックを使って本を読んでいる、と耳にしたことはありませんか?

アメリカや海外ではオーディオブックが日本よりも浸透していて、大きく売れていると言います。

倍速、速聴、本が多く読めると注目されるオーディオブックの効果についてまとめました。

学習効果や脳にも良い?メリット・デメリットをみていきましょう。

オーディオブックが脳に効果?

オーディオブック 脳に効果普段から仕事やプライベートの予定に忙しく、なかなか読書の時間が取れない人でも手軽に読書ができるとして話題となっている「オーディオブック」。多忙な毎日の中、話題の本を読みた、知識を得たい、勉強をしたい、と思いつつ買った本が置いたままになっている人も多いのでは・・・

ナレーターが本の内容を読み上げた音声を聴けるオーディオブックは、実は脳科学において「本の内容がより記憶に結びつきやすい」といわれています。

昨今のオーディオブックブームの立役者ともいえる『audiobook.jp』の運営事務局『オトバンク』のブログによると、人間は普段、以下のようなプロセスをくり返しながら本に書かれた文字を読むといわれています。

  1. 文字を目で見る
  2. 大脳皮質の視覚野で、形・意味などといった「文字の情報」を認識する
  3. 聴覚野で文字の情報が音声に変換される
  4. 言語野で音声が1つの言葉・文章として処理される

しかしオーディオブックの場合は、すでに「朗読」という形で音声になっており、文字を認識する・音声に変換するというプロセスが必要ないため、紙媒体・電子書籍などの本よりも脳内での処理が速くなり、記憶に残りやすいとされているのです。

本を倍速で聴く効果

オーディオブックで本を読む効果また、オーディオブックならではの読書・勉強方法であるのが「速聴」です。

「速読」と同様、作業・内容理解の効率を上げる方法として話題となっている「速聴」は、音声データを倍速にして聞き取るスタイルのことをいいます。

現在では学生・社会人問わずスキルアップの一環として用いられる「速聴」は『第一ゼミナール』の記事をはじめ、様々なメディアにおいて脳の活性化・集中力アップにも効果があるといわれているのです。

速聴による脳の働きについては『きこ書房』に掲載されている、日本における「脳トレ」ブームのパイオニア・川島隆太教授らによる共同研究が有名です。

実験の内容は、25名の被験者に正文・誤文を混ぜた文章課題を、通常・1.5倍・2倍・2.5倍の速さで聴かせている間の脳の働きを調べるというもの。

その結果、被験者の脳(前頭葉)が通常速度の音声を聴いている時よりも速聴をしている時の方が活性化しているという結論になったのだそう。

また、音声の速度を上げると、聞き流しているだけではただの雑音に聞こえますが、速度を調節しながら何度も聴くことで、聴き取っている間の集中力が高まるとともに、内容理解の速度が速くなるとされているのです。

テストや入試問題の解答スピードを早くしたい学生や、会議資料の内容をより効率よく把握したい社会人におすすめできます。

オーディオブックの学習効果

オーディオブック 効果音楽が好きな方のなかには、お気に入りの音楽をずっと聴いているうちに「いつの間にかリズム・歌詞を覚えた」という方も多いのではないでしょうか?

実は、このようなプロセスを活用することで、オーディオブックを趣味・自己啓発だけでなく、英語・中国語などといった語学学習の方法として提案しているサービスも少なくありません。

実際の発音・会話が直接耳に入ってくるため、読み方がわからない言葉もネイティブな発音に触れられるうえ、テキストや問題集で調べたり、たくさんの長文を読み込むという「目への負担」がないという点が魅力といえます。

また、オーディオブックはスマホでいつでもどこでもすぐ聴けるため、より手軽に学習が可能です。読み書きの勉強ばかりでなく、耳を使って体に染み込ませることができます。

実際に『audiobook.jp』のオトバンク代表取締役会長である上田渉さんも、学生時代に自作のオーディオブックを用いた学習スタイルによって、偏差値30の状態から、東京大学への合格を果たした人物。

忙しい人でも耳で勉強できる方法がわかる、上田さんの著書『脳が良くなる耳勉強法

『DIAMONDオンライン』のインタビュー記事においても「苦手だった現代文の勉強法をリスニング重視に変えてみたところ、読解力が向上した」と上田さんは語っています。

ビジネス導入オーディオブック「キャンプ」とは

社会人こそ知識を深めてビジネスに活かしたり、勉強で自分磨きをすることが求められています。多忙で読書ができない社会人や、なかなか読書週間を身につけられない人にオススメのオーディオブック「キャンプ」があります。

社員研修でも取り入れられるオーディオブックとして知られている「キャンプ」とは、『audiobook.jp』のオーディオブック配信サービスであり、教養・金融・働き方などといった各業界の6名のセレクターによる選りすぐりのオーディオブックを楽しむことができます。

配信されるオーディオブックはどれも社会人なら必読な内容で、テーマや自分が高めたいスキルに合わせて選書されており、セレクターたちの選書理由とともに毎月配信されます。

通勤中にも手軽に学習できるうえ、毎月2冊の配信のため、活字が苦手な方・読書の習慣がついていない方にも無理なく読書を楽しむことができるとして評判です。

オーディオブック「意味ない」の理由とは?デメリット

オーディオブックを用いた学習・読書方法は「意味がない」という意見も存在しています。なぜでしょうか?

オーディオブックが「意味がない」といわれる理由をデメリットに基づいて見てみましょう。

・集中しにくい?

理由の1つとして、何か他の作業をしながら読書・勉強ができる分「音声の聴き取りに集中しにくい」というものが考えられます。当然、何か重要な他の作業をしながら聴くと、耳に集中して聴くことは難しいでしょう。

しかし、電車で移動中やコンビニの買い物中、イヤホンで音楽を聴いていたのをオーディオブックに。いつもはテレビを付けっ放しで家事をしていた時間をテレビを消してオーディオブックに。など、「ながら」で行動している普段の時間にオーディオブックで耳で学習ができる、というのは聴くのは難しくありません。むしろ大きな読書時間の捻出となるでしょう。

・わかりにくい?

本には挿絵・図などがあったり、太字・アンダーラインなどといった装飾がされている場合もあります。

オーディオブックではもちろん文字を見ることはできません。その代わりプロのナレーターが、速度・アクセントで強調や感情表現していたり、朗読によって文字情報以上に分かる点があるとも言えます。ラジオ放送も文字は見えなくてもよく分かるのと同じと言えるでしょう。また、音で聞いた言葉を「綴りや漢字を調べたい」と自分で調べることにより、より理解度が上がり記憶の定着にも結びつくでしょう。

図解についてはオーディオブックのアプリ内で表示され見れるものもあるので、本と同じように確認できるアプリを選べば問題ありません。

従来の読書方法である「書かれた文字を読む」というスタイルと「リスニング型」の効果の違い・それぞれの活用法についての研究が日本でも実施されていますが、実際の学習効果の高さに差がほとんど表れていないという結果も少なくありません。

なかでも『映像情報メディア学会誌』に掲載されている特集論文では書籍を用いた読書と「リスニング型」の2つの読書スタイルによる内容理解度をテストしたところ、「両者の間に統計的有意差は認められなかった」と結ばれています。

つまりこれは「効果が同じ」ということが現れています。「オーディオブックは意味がない」ということではなく「読む読書」も「聴く読書」も差がないということになります。

普段の読む読書+聴く読書をすると、読むだけよりも読書時間は倍増できます。本を読みながら歩いたり洗濯物を干すのは難しいですが、聴く読書ならはそれが可能です。

仕事が忙しくて疲れて勉強する時間がとれない、パソコンで目が疲れて頭もパンパン、という人も耳は疲れていないもの。効果が同じなら目で読む読書を耳で聴くものに切り替えるのは、大いに意味があると言えるでしょう。

本を速くたくさん読むのが苦手な人にも、オーディオブックでは耳で聴くスピードも変えられるので、普段よりも速く多くの本を読破することも可能です。

目の疲れを避けるためにも、オーディオブックと本を使い分けたり、学習効果を上げるために音声の後に即座に復唱する技術「シャドーイング」を実践してみるなど、使い方を工夫してより効果を上げることができるでしょう。

メリット・デメリットまとめ

聞く読書

《オーディオブックのメリット》

  • 通勤中や家事の合間でも手軽に読書ができる
  • 速聴・シャドーイングなどの効果的な聴き方が可能
  • 本を使った読書よりも記憶に残りやすい
  • 繰り返し聴いて反復学習がしやすい
  • 発音が重要な語学学習には効果的

《オーディオブックのデメリット》

  • 印をつけたり付箋を貼ったりできない→自分でメモを取る
  • 漢字や図解が見れない→自分で調べて理解が深まる

普段本を読むのが好きな人は「+聴く読書」で読書時間倍増に。なかなか本が読めなかった…という人は聴く読書で読みたかった本を読破!

オーディオブックで本を聴くことで、移動中や隙間時間にも効果的に本を読み進められるできるでしょう。

公式サイト:日本最大級!オーディオブックなら – audiobook.jp

オーディオブックで本を聞く効果